死球マントラ

全員しぬまで人形かぞえる

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KASABIAN 『KASABIAN』

こんなのだれもがみんなプライマルスクリームを想起するであろうけど、うんこれはあきらかにプライマルだからそれでいいよ。
音楽に限らずですが価値軸を新たに書き直すことによってスリリングに変わっていく風景というものが歴史的にありますがだからといってみんながこれをロックだとかいう現象はきもちわるいよね。ほとんどハッタリと雰囲気だけでロックオーラを身に纏う盗賊団的な覆面ビジュアルイメージ戦略の成功によってしかも攻撃的なシングル連射でぼくらのハートを鷲掴みという完璧なロックの救済者に仕立て上げる戦略はたぶんに商業的だけどそんなわかりやすさもまた大成功なのでぼくも流行におくれまいと夢中のふりしているのです。しかしいまどきめずらしく雑食性を微塵もかんじさせないいい意味での視野の狭さが功を奏しているともいえます。なぜならかっこいいところだけで構成されているからそんなのはかっこいいに違いないのです。そういう潔癖なところは日本人的なような気もするよね。
たとえばある影響を自分なりの形として生み出すためのフィードバック作業に大事なのは咀嚼するときに再構築あるいは再解釈、再定義をしようと意識的であるのが創造する者の使命というか基本であるとはおもいます。しかしサイケデリックの醸す眩暈無尽音像郡のグルーヴの高揚に魅せられたかとおもうとハウスに傾倒したりジョージクリントンと一緒にレコードを作ったり敬愛するマッシブアタックがアルバム丸ごとマッドプロフェッサーにダブミックスをさせたのと同じようにミックス依頼したりといった自身が影響された音楽を再解釈どころかそのまんま再現するというそんな好きなものはすべて自分で真似したくなるほど愛してる的なすべてのコピーバンドは好きだからコピーするのですという当たり前なことをやってしまうというそんな誰もがみんな最初は好きなバンドをコピーしてしまうのはそれが好きだからに他ならないわけで好きでもないバンドのコピーバンドなんて存在しないわけででもそういうコピー行為が許されるのは童貞な男子に限ってのことであるのにそんな反則をそれとなく絶対的な音楽への愛と忠誠心であるかのごとき衝動であるので許してください的に世に認めさせそんな音楽バカ丸出し感がかっこいいじゃないという新しい価値軸を作り出してしまったのがプライマルスクリーム。近年ボビーギレスピーは幼児退行するかのように老齢に近づけば近づくほどジーザスアンドメリーチェインでのドラム時代を思いだすかのように電子武装によるロックンロールの復権活動でいつのまにか日本では最高のロックンローラーというポジションになってしまいましたがしかしアルバムごとに革新を行ってきた彼にとっては電子による完全武装状態のままここ数年の老体の生命維持的な活動は極めて安定でありながらもしかし初めて音楽的な停滞を続けているとの指摘も成り立ちます。
でもなぜか許されてしまうのはなによりボビーギレスピーの過去の作品には無数の音楽のバックフィールドとその影響と敬意がかんじられますそれは自分で自分を好きになりたいがための自作自演的なじぶんのきもちいい作品を生み出していることの必然でありますが一方でそのプライマルの方法論(好きな音楽完コピ宣言)を模倣したカサビアンにはプライマルを模倣することによってプライマルが模倣してきた幾多の音楽の影響の恩恵を蒙るという素晴らしい構造。しかしながら二重のフィルター越しであるからか音楽史的バックボーンの不在をかんじるというそのすごいのかすごくないのかわからない出鱈目さとハッタリな不透明さがあのビジュアルイメージと相まって不気味感を助長します。なのにこの威圧。いやだからこその自由さであるのかもしれません。
攻撃的なイメージ先行が浸透してしまいましたが実際のアルバムの総体的印象としてはこれでもかとサイケデリック感が際立っている意外さも実は評価を高めるかもしれないしその印象は初期のプライマルもしくはストーンローゼス風ではありますが今後プライマル同様新しい価値軸を随時作り出していけるのかどうかは興味深いけれどたぶんこんな路線でしかいかない(いけない)ような予感がしたりもするわけででも逆にそれはそれで潔癖な求道精神はかっこいいけどまったくもって違う威圧の方法を編み出してきたりしたらそのときこそ本物だといえるのだとも思うわけです。でもたぶん無理。
ということで本作に限っていえばかなりかっこいいからそれでいいよもうめんどくさい
カサビアン (初回生産限定盤) カサビアン (初回生産限定盤)
カサビアン (2004/08/25)
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